黒谷和紙会館

私たちの普段の生活の中で、紙に接する機会は多くありますが、皆様はその紙がどのような原料で作られているかご存知でしょうか。麻や竹、サトウキビなどからも紙を作ることはできるのですが、現在の生活で身近なところにある紙は、ほとんどが木材チップと古紙を原料としています。これらは洋紙と呼ばれるものになるのですが、それ以外にも楮(こうぞ)などを原料とした和紙も様々なところで目にされているのではないでしょうか。
和紙は、先述のように楮や雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)などを原料とする日本独自の紙で、中国から7世紀初めまでに伝わった製紙法が発展したものになります。日本各地にそれぞれの製法で伝わる和紙があり、京都では丹後和紙や黒谷和紙が今でも作られています。
この京都に残る和紙のうち、黒谷和紙は、京都府綾部市舞鶴市の境にある黒谷村に伝わる和紙で、平家の落武者が子孫へ伝える為に始めたものと言われています。800年以上の歴史を持っているとされており、今でも純粋の手漉き和紙を生産している産地として知られています。現在では無形文化財にも指定されているこの黒谷和紙の生産は、江戸時代には、山家藩の特産品として発展し、京都に近いことから京呉服に関連した紙も多く作られるようになりました。明治以降も、養蚕が盛んになれば、それに関連した紙の種類が増え、需要は膨らんでいったのですが、紙の主流が機械で大量生産のできる洋紙へと移り変わると、一転和紙の需要は減り、徐々に衰退していきました。その中で、和紙の秘境と呼ばれながら伝統的な手漉き和紙の製法を守り、今日も伝統の保存に努めながらも、村全体を通して広く知ってもらう為の観光事業にも力が入れられています。
黒谷和紙会館でも、1階では黒谷和紙を利用した手提げ袋やノートなどといった工芸品の販売などを行い、2階で実際に使用されていた桶や簀桁(すげた)と呼ばれる道具や資料の展示が行われています。また、近くを歩くと、天日に干された和紙を目にすることもできます。予約をすれば紙漉きの体験をすることもできますので、皆様も近くを通られる際には少し足を伸ばしてみられてはいかがでしょうか。



黒谷和紙会館
住所:〒6230108 京都府綾部市黒谷町東谷3
開館時間:月〜金 9:00〜16:00、土 午前中
料金:見学自由
問合せ:黒谷和紙協同組合 0773-44-0213
アクセス:JR山陰線 綾部駅 → タクシー20分



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☆全国手すき和紙連合会☆