京都御所・仙洞御所

以前に、桂離宮(→こちら)や修学院離宮(→こちら)をご紹介させて頂いておりますが、皆様は足を運んでみられましたでしょうか。どちらも国有財産の一つである皇室用財産に分類されており、宮内庁の管轄になるのですが、京都にはこの他にも京都御所や仙洞御所といった宮内庁の管理している場所があります。
京都御所鎌倉時代中期から1869年(明治2年)に天皇が東京に移られるまでの間住んでおられた宮殿で、現存のものは1855年に造営されたものになります。戦時中の1945年には、建物疎開によって多くの建築物が取り壊されてしまいましたが、現在も約20.2haに及ぶ敷地内には紫宸殿や清涼殿、御常御殿、御学問所、御涼所などがあり、平安時代以降の建築様式を様々に見る事ができます。
また、京都御所天皇が住んでおられた場所になるのですが、仙洞御所は上皇法皇の御所になります。仙洞という言葉がもともと仙人の住み処を指しているため退位した天皇である上皇法皇の住む場所を仙洞御所と呼ぶようになったのだそうです。また、上皇法皇の事を院と呼ぶ事もあったのですが、院の活動が活発である頃には、各所に仙洞御所が作られたそうです。これも、武士の勢力が強くなるにつれて衰退し、江戸時代には京都御所の周辺に集められたそうです。現在京都御所の南東にある仙洞御所は、1630年に後水尾天皇の為に作られたもので、桜町殿と呼ばれるものだったのですが、1854年に火事により焼失し、庭園や茶室のみがのこされています。庭園は大きな2つの池を中心に作られているのですが、180cmの滝を作る為に御所全体を掘り下げたり、全体が藤棚で覆われた八ツ橋と呼ばれる橋があったり、お冷しと呼ばれる氷室があったりと、見どころも多くありますので、皆様も一度訪れてみられてはいかがでしょうか。また、この仙洞御所と同じ築地の中には大宮御所(女院御所)と呼ばれる皇太后の御所も残されています。この大宮御所は、現在も天皇陛下や皇太子殿下が京都に来られた際には泊まられる所で、内部は洋風に改められています。
これらの京都御所や仙洞御所の周りは、京都御苑と呼ばれる公園が取り囲んでいます。この公園は江戸時代には200を超える公家や宮家の邸宅が立ち並んでいた場所で、現在は環境省が管理する国民公園として整備されています。梅林や桃林が作られ、季節ごとの花を楽しめる他、テニスコートやゲートボール場、児童公園を利用することもできます。地域の人々の憩いの場として親しまれており、お弁当を広げたり、散歩をされている方も多くみられます。また、京都御所や仙洞御所を参観する際には事前の申込が必要になりますが、春と秋に行われている京都御所の一般公開では申込無しでも参観する事ができます。特に、今年は御即位20年にあたるため、11月1日〜10日まで御即位20年記念京都御所特別公開が行われます。皆様もこの機会に一度足を運んでみられてはいかがでしょうか。


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