京菓子資料館

関西地方も、ついに昨日梅雨入りが発表され、今朝も雨がぱらついていました。しばらくは「快晴」という文字を見ることは少なくなるかもしれませんが、梅雨には梅雨の楽しみを見つけたいものですね。
ところで、皆様は普段どのようなお菓子を食べられるでしょうか。一言でお菓子と言っても、スナック菓子であったり、ケーキやクッキーといった洋菓子であったりと幅広いのですが、何かの機会に京菓子を食べられることもあるのではないでしょうか。京菓子は、京都で作られる和菓子の中でも、特に上菓子を指し、練り切りや薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)、懐中汁粉(かいちゅうしるこ)など様々な種類があります。この中でも、葛菓子や州浜(すはま)、打物と呼ばれる落雁などの干菓子がよく見られるのではないでしょうか。これらの京菓子の中には、いまでも職人さんによって手作りされているものも多く、季節感に溢れ、見た目にも奇麗なものが多くあります。これらの京菓子は、京都に都が置かれていた1000年ほどの間に、貴族の儀式や神社仏閣への供物用などとして発展しました。当時、このような御所をはじめとする貴族へ品物を納めることのできる菓子司は限られており、味も見た目も美しくなければ献上することができませんでした。そのため、職人は競いあってより美しく趣向をこらした菓子を作り出し、今のような京菓子へと進化していったのだそうです。また、茶道の発達と共に洗練され、より季節感を大切にした茶菓子も多く作られるようになりました。
この様に、京都独自の発達を見せる京菓子ですが、そもそもの菓子の起源は日本書紀古事記の時代にまでさかのぼるのだそうです。菓子の神様とも呼ばれている田道聞守(たじまもり)が持ち帰った橘の実が、菓子のルーツとなる果物であり、奈良時代以降は遣唐使などによって唐菓子が伝わり、後に団子や饅頭などといった和菓子として進化したのだそうです。そのような菓子・京菓子の歴史のわかる資料館が御所の近くにあります。
京菓子資料館と呼ばれるこの資料館は、京菓子の老舗である俵屋吉富に隣接して立てられており、もともとは俵屋吉富の烏丸店3階に昭和53年からあったものが平成13年に新設された龍宝館内に移設されたものです。玄関のアプローチは竹林になっており、中に入れば鮮やかな糖芸菓子が迎えてくれます。550点程の資料が所蔵されており、菓子作りに使われる道具や、古文書、唐菓子などが展示されています。また、館内にはお茶席もあり、水琴窟の置かれた坪庭を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができます。皆様も、近くを通られた際には一度訪れてみられてはいかがでしょうか。



京菓子資料館
住所:〒602-0021 京都市上京区烏丸通上立売上ル
開館時間:10:00〜17:00 水曜休館
料金:無料
問合せ:075-432-3101
アクセス:地下鉄烏丸線 今出川駅 徒歩5分



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☆京菓子資料館☆