お茶の発祥地・高山寺

皆様は、お茶の産地といえば?と聞かれた時、どこを思い浮かべられるでしょうか。日本のお茶の生産量は、1位が静岡県、そして2位に鹿児島県で3位に三重県となっており、それぞれ静岡茶、薩摩茶、伊勢茶といったように名前が付いているのですが、この他にも、近畿だけでも近江茶や大和茶、丹波茶や京都を代表する宇治茶などが生産されています。このように、多くのお茶が生産されているのですが、皆様はこれらのお茶が京都から広がったことをご存知でしょうか。臨済宗の開祖である栄西(えいさい)禅師が中国からお茶の種子を持ち帰り、それを贈られた明恵上人が植えて育てたのがお茶の始まりとされています。この明恵上人が茶を植えたのは、京都の栂尾(とがのお)という地域なのですが、この栂尾産のお茶を本茶と呼び、それ以外を非茶としていた時代もあるそうです。このように、日本で初めて茶園が作られたのが栂尾で、そこから宇治へ広がり、やがては全国で生産されるようになったのだそうです。
この明恵上人がお茶を植えて茶園を作ったのは、栂尾山高山寺(こうざんじ)で、以前に紹介しました高雄山神護寺や槙尾山西明寺とともに三尾と呼ばれています。この高山寺は、後鳥羽上皇から「日出先照高山之寺」という勅願を得たことからこの名前がついたとされており、仄暗い参道は独特の幽玄とした雰囲気をたたえています。また、明恵上人の住居跡とされている石水院は国宝に指定されており、後鳥羽上皇の学問所である賀茂別院にあった建物を移してきたとも言われています。入母屋造りで葺き様式の建物は、鎌倉初期の趣を残していますし、茶園も残されていますので、一度ご覧になられてはいかがでしょう。
また、この高山寺の石水院は、鳥獣戯画4巻など、多くの国宝を含む文化財を所有していることでも知られています。実際に見れるものは少なく、鳥獣戯画もコピーされたものしか目にすることはできませんが、一度訪れられてみてはいかがでしょう。
最後に、この高山寺は、他の三尾と同じく、紅葉の名所として知られています。紅葉の時期は少し遅めで、11月下旬となりますので、各地の紅葉を楽しまれた最後にでも巡ってみられてはいかがでしょう。



高山寺
住所:京都市右京区梅ヶ畑栂尾町
拝観時間:9:00 - 17:00
料金:大人 600円、子供 300円
(秋期は別途入山料必要 大人 400円、小人 200円)
問合せ:075-861-4204
アクセス:JRバス 栂ノ尾停 徒歩5分



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