龍安寺

京都の北西に位置する衣笠山の裾野には、きぬかけの路と呼ばれる道があります。この道は、金閣寺仁和寺の間を走る約2.5Kmの道で、途中、妙心寺等持院などが点在しています。この中から、本日は龍安寺をご紹介させていただきます。
龍安寺は、もともとは徳大寺家という貴族の別荘であったものを、応仁の乱の際には東軍総帥となる細川勝元が譲り受け、禅寺にしたものです。そのため、山門を抜けてすぐの鏡容池は、貴族の別荘庭園の雰囲気を強く残した回遊式庭園となっています。また、現在は3つですが、最盛期には塔頭を21も持っていたようで、境内も今より広大であったそうです。それが、応仁の乱や1797年の火災などで多くの主要伽藍を焼失し、現在の構成となったそうです。
この龍安寺で、最も知られているのが方丈庭園ではないでしょうか。方丈(本堂)から見渡せるこの石庭は、虎の子渡しの庭とも呼ばれており、三方を油土(ゆど)塀に囲まれた幅25m、奥行10mほどの庭に白砂を敷き詰め、15個の石を東から西へ7・5・3の割合で配置しています。石の周りの苔以外には1つの緑も配さず、帚目を付けただけのこの庭は、シンプルですが日本の枯山水庭園を代表するものとして世界的に知られています。作者や作庭年代だけでなく、どのようなイメージを込めて作られたかも定かではないのですが、「1、2個欠けても足るを知る」という禅の心を表しているとされています。特別名勝にも指定されているこの庭は、シンプルだからこそ、見る人によって様々に変化しますので、皆様も一度ご覧になってみてはいかがでしょう。
また、龍安寺にはもう一つ有名な蹲踞(つくばい)があります。蹲踞とは、茶庭に設置される手水鉢や役石などのことで、茶室に入る前に手を清める為に使われるものです。この龍安寺の蹲踞は、水戸光圀公が寄進したもので、中心の四角い穴の部分を漢字の口として、「吾唯知足」(吾唯だ足るを知る)という文字を表現しているそうです。実際に見ることのできるのは複製ですが、一度ご覧になられてはいかがでしょう。
さて、この龍安寺も紅葉の名所として知られています。鏡容池の周りの散策路は、紅葉が楽しめるように配置されていますし、庭以外にもモミジの木立などが植えられています。金閣寺や嵐山からも近いですので、足を伸ばしてみられてはいかがでしょう。また、四季それぞれの美しさを楽しめるように、桜や雪柳、つつじ、藤、睡蓮などが植えられていますので、是非一度訪れてみられてはいかがでしょう。



龍安寺
住所:京都市右京区竜安寺御陵下町13
拝観時間:8:00〜17:00(12月〜2月 8:30〜16:30)
料金:400円
問合せ:075-463-2216
アクセス:市バス 龍安寺前停



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☆龍安寺☆