熊野神社

先日、聖護院をご紹介させて頂いておりますが(→こちら)皆様はこの聖護院のすぐ近くにある熊野神社をご存知でしょうか。熊野神社と言えば、世界遺産にも登録されている和歌山県熊野古道や、熊野速玉大社、熊野本宮大社熊野那智大社の3社からなる熊野三山を思い浮かべられる方も多いことでしょう。この熊野三山を参拝する熊野詣は、平安時代に一大流行を見せ、「蟻の熊野詣」と言われるほど老若男女問わず、大勢の人々がこぞって熊野詣に訪れました。また、熊野詣には先達と呼ばれる案内者の修験者がつくのですが、白河上皇が1090年に熊野詣を行った際に増誉が先達を務めたことから聖護院が始まったことも前回お話させて頂いておりましたね。白河上皇は、この1090年の熊野詣を頭に、9度の熊野御幸を行い、これをきっかけに天皇や貴族だけでなく、一般の人々にまで熊野信仰が広がりを見せたのだそうです。因みに、歴代上皇の中で、最も多く熊野御幸を行ったのは後白河上皇で、その数は34回にも及ぶそうです。京都から熊野までは片道で300km程あり、往復で1ヶ月近くかかったのだそうです。この道を、多いときでは800人ほどの人が行列を作って歩いたとされており、往路は皇族であっても行として歩いたのだそうです。車や電車での移動が一般的となった現在では、歩いて熊野まで参拝したり、あまつさえ何十回という回数をこなすことは難しいですが、皆様も一度熊野詣をされてみてはいかがでしょうか。
さて、皆様は京都にも熊野の神様をお祀りした京都三熊野と呼ばれる神社があることをご存知でしょうか。京都三熊野は、冒頭で名前の登場している熊野神社、熊野若王子神社、新熊野神社(いまくまの)の三社で、熊野三山より勧請された神社になります。この三社の中の熊野神社は冒頭でも説明したように聖護院の西側にあり、東大路丸太町の交差点の北西の角にあります。811年に修験道の日圓上人によって国家護持の為に勧請され、聖護院の森の鎮守として大切にされてきました。現在はその聖護院の森も無くなってしまったのですが、縁結びや健康長寿、安産の神様として信仰を集めています。また、創建時の社殿も応仁の乱などによって焼失してしまったのですが、1666年に聖護院宮道寛法親王の命令によって下鴨神社から流れ造りの社殿が移築され再興されました。その当時は鴨川にまで境内が広がっていたのですが、市電軌道敷設により境内が縮小され現在に至るのだそうです。毎年4月29日に神幸祭が、5月16日には例祭が行われますので、皆様も機会がありましたら一度足を運んでみられてはいかがでしょうか。



熊野神社
住所:京都市左京区聖護院山王町43番地
拝観時間:9:00〜17:00 境内自由
問合せ:075-771-4054
アクセス:京阪電車 神宮丸太町駅 徒歩5分



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