法界寺・法界寺裸踊り

皆様は鴨長明(かものちょうめい、かものながあきら)という名前を覚えておられますでしょうか。日本の三大随筆(方丈記枕草子清少納言徒然草吉田兼好)の一つとされる方丈記の作者として有名ですが、歌人としても有名で、数多くの歌を残しています。この鴨長明は、下鴨神社の神事を統率する鴨長継の次男として生まれたのですが、望んでいた地位につくことができず、後に出家したとされています。この出家後の1212年に方丈記を完成させたのですが、鴨長明が晩年に方丈の庵を結んだことから方丈記と名づけられたのだそうです。さて、この鴨長明の結んだ方丈の庵は、今の伏見区日野にあったのですが、本日はこの日野にある法界寺をご紹介させて頂きます。
法界寺は、山号を東光山とする真言宗の寺院で、開基は最澄であるとされています。日野薬師や乳薬師とも呼ばれており、秘仏重要文化財薬師如来が本尊になります。この本尊の薬師如来像は胎内仏になっており、安産・授乳・子授けなどのご利益があるとされています。その為、特に女性からの信仰が厚く、薬師堂の内部には安産や授乳祈願に奉納されたあかちゃんのよだれかけが所狭しと並べられています。また、阿弥陀堂阿弥陀如来像は国宝にも指定されており、阿弥陀堂内に描かれている天人の壁画は重要文化財に指定されています。900年以上も大切に残されてきたこれらの建物は、少し傷んではきていますが、平安時代の人々が持っていた極楽浄土のイメージを今でも残していますので、皆様も一度訪れてみられてはいかがでしょうか。
また、本日も行われるのですが、法界寺では毎年1月14日に裸踊りが行われています。この裸踊りは、元旦から行われている五穀豊穣と天下泰平を祈願する修正会の結願の日に行われる行事で、日も暮れた夜の7時から行われます。この裸踊りでは、下帯姿の男たちが井戸水を頭からかぶって体を清め、両手を高く上げながら踊ります。この時の下帯を腹帯として使うと安産になるとも言われていますので、もし今夜お時間のある方は訪れてみられてはいかがでしょうか。また、この法界寺は、親鸞の生まれた場所ともされており、近くには日野誕生院と呼ばれる親鸞誕生の地を記念する寺院もあります。訪れられた際には少し足をのばしてみられてはいかがでしょうか。



法界寺
住所:京都市伏見区日野西大道町19
拝観時間:9:00 〜 17:00(10月〜3月 〜16:00)
料金:大人 400円、中学生以下 200円
問合せ:075-571-0024
アクセス:地下鉄東西線 石田駅 徒歩20分/京阪バス 日野薬師停 すぐ
○法界寺裸踊り
日時:1月14日 19:00〜



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