鴨川納涼床

7月の初めから続く祇園祭も、ついに本日メインイベントの山鉾巡行を向かえます。昨日には近畿地方の梅雨明けも発表され、祇園祭も終わると、本格的に夏がやってきという感じがするのですが、三方を山に囲まれた盆地である京都の夏は、湿度が高く、とても暑くなります。この時季に京都を観光されると、立っているだけでもなかなか大変だと思うのですが、本日は暑い中を一日歩き回った後に楽しめる京都の「床」をご紹介いたします。
鴨川納涼床は、江戸時代から受け継がれている京都の夏の風物詩で、京都特有の暑い夏ゆえに始められた習慣です。江戸時代には、今のように川が整備されておらず、鴨川にはたくさんの中州がありました。裕福な商人などが、その中州に床机を並べて来客をもてなしたことが始まりとされており、治水工事によって中州が無くなった代わりに、護岸ができると、茶店や物売りの屋台が並ぶようになったのだそうです。今では川の西側にしか床が出されていませんが、明治に入って疏水運河が整備されるまでは、鴨川の東岸にもお茶屋の床が出されていました。多くの人が行き交い、様々な興行が行われ、至る所に提灯や行灯の灯された河原は、まるで昼のようであったそうです。
この鴨川納涼床は、現在では毎年5月1日〜9月30日まで設置され、5月1日〜5月31日までを皐月の床、6月1日〜8月16日までを本床、8月17日〜9月30日までを後涼みと言います。二条大橋から五条大橋にかけての川面にずらりと並んだ床では、のんびりと食事をしながら、少しずつ暗くなっていく空や、鴨川を抜ける風を楽しむことが出来ます。暑い京都の夏を乗り切る為にも、涼しい風の通る床で、のんびりと疲れを取り、しっかりと食事をされてはいかがでしょうか。
さて、床の出される鴨川は、京都の北から南へまっすぐに流れ、春には桜が美しく、秋には紅葉を楽しむことができます。また、五山の送り火が行われる際には、大文字を見ることもでき、冬にはユリカモメの観察をすることができます。これまでの京都の歴史の中で、数多くの合戦の場になったという歴史もありますが、現在は護岸の堤防も整備され、人々の憩いの場として、京都の代表的な景色の一つとなっています。天気の良い日は、散歩やジョギングを楽しまれる方や、読書をされている方も多くみられ、楽器の演奏をされている方もおられます。皆様も、川辺でのんびりとした時間を過ごし、暑い夏を乗り切る為の力を蓄えられてはいかがでしょうか。



鴨川納涼床
期間:5月1日〜9月30日



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☆京都鴨川納涼床協同組合☆