善峯寺・桂昌院

皆様はテレビドラマで大奥を見られたことがありますでしょうか。また、この大奥に登場する人物に、桂昌院と呼ばれる女性がいることを覚えておられるでしょうか。この桂昌院という女性は、実在する女性なのですが、徳川五代将軍綱吉の母であり、生類憐れみの令を提案した張本人として、あまり良くないイメージで登場するものが多いですね。ところが、最近になって、いろいろと見直されているようですのでご紹介させて頂きます。
桂昌院は京都の八百屋の次女お玉として生まれ、実父の死後、母の再婚によって二条家に仕えていた本庄宗正の養子となります。その後、お万の方が三代将軍家光の側室として江戸へ下る際に侍女として共に下り、大奥で春日局に認められて秋野という名を与えられ、側衆に抜擢されます。そうして春日局の側で使えているうちに、家光に見初められ、後に五代将軍となる綱吉を生みました。綱吉が五代将軍となってからは、女性としては最高位の従一位にまで上り詰め、絶大な権力を誇りました。
権力を手にした桂昌院は、生類憐れみの令を提案したり、莫大なお金をつぎ込こんでお寺を再建したりと、悪政を働いたとされていますが、儒教の精神に則り、それまでの殺伐とした武断政治から、より平和な文治政治への転換のきっかけになった面も大きいとされています。また、桂昌院の行ったお寺の再建も、応仁の乱によって失われた数多くの寺社仏閣が後の世に伝えられ、再建を行うことで経済を刺激し、元禄文化の基礎を作ったとも考えられています。
このように、桂昌院によって再建されたお寺の中に、善峯寺というお寺があります。このお寺は、桂昌院がまだ幼い時に足を運んだとされるお寺で、この善峯寺の再建には特に力を注いだと言われています。善峯寺は、1029年に源算上人を開山として始められたお寺で、十一面千手観音像を本尊としています。多宝塔や大元師明王軸などが重要文化財として残されており、多宝塔前の樹齢600年とされている遊龍の松は、国の天然記念物にも指定されています。この松以外にも、これからの時期はサツキが綺麗な花を咲かせますし、6月15日には桂昌院忌法要も行われますので、一度足を運んでみられてはいかがでしょうか。



善峯寺
住所:〒610-1133 京都市西京区大原野小塩町1372
拝観時間:8:00〜17:00
料金:大人400円(寺宝館公開期間 500円)、高校生300円、小・中学生200円
問合せ:TEL 075-331-0020  FAX075-332-8342
アクセス:JR 向日町駅/阪急 東向日駅→阪急バス 吉峯寺ゆき 終点下車 徒歩8分
桂昌院忌法要304回忌
日時:6月15日 14:00〜



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☆善峯寺☆