勧修寺・睡蓮

皆様は勧修寺というお寺をご存知でしょうか。この勧修寺は京都の山科にあるのですが、この寺名を皆様は何と読まれたでしょうか。「かんしゅうじ」と読まれた方が多いかと思いますし、実際、地名の勧修寺はそのように読みます。しかし、このお寺は、その名前を「かじゅうじ」と読みます。真言宗のお寺で、900年に醍醐天皇によって創建されたとされており、境内の池泉庭園は平安時代の貴族の庭の雰囲気を濃く残し、典雅の極致と称されています。
勧修寺は醍醐天皇が生母である藤原胤子の菩提を弔うために創建したお寺で、当初は藤原胤子の祖父であり、醍醐天皇には曽祖父にあたる宮道弥益の邸宅を寺に改めたものだったのだそうです。その後、1470年に兵火によって焼失し、衰退してしまうのですが、江戸時代に皇室や江戸幕府の援助によって再興しています。重要文化財に指定されている書院は、明正天皇の旧殿を外賜されたものとされており、それ以外にも、同じく外賜された宸殿や、1672年に近衛家の建物を移築したものとされる本堂は京都市の指定文化財となっています。また、書院の前庭にある勧修寺型灯篭と呼ばれる雪見灯篭は、水戸光圀公の寄進とされており、その周りには樹齢750年と言われる這柏槇の名木が枝を伸ばしています。訪れられた際には是非ご覧ください。
さて、先述のように、この勧修寺の一番の見所は境内の池泉庭園で、氷池園と呼ばれるこの庭園は典雅の極致とも言われており、実際に舟遊びが行われていた2万?の池を中心とする広大な庭になっています。この池には、大小3つの島が浮かべられ、東山を借景に15の景勝が設けられているそうです。平安時代には毎年1月2日にこの池に張った氷の厚さでその年の農作物の豊凶を占ったとされており、来栖野氷室の池と呼ばれていたそうです。この池は、年間を通して楽しめるようにされており、春の桜や秋の紅葉だけでなく、藤や杜若、花菖蒲などが次々と花を咲かせ、また冬にはマガモが訪れ、見る人を楽しませます。この氷室の池で特に美しいと言われているのが睡蓮で、これからの季節に次々と花を咲かせます。そのほとんどは西洋種なのですが、日本の固有種である未草と呼ばれる白い花の睡蓮も花を咲かせます。睡蓮は、8月の上旬まで楽しむことができますので、一度足を運んでみられてはいかがでしょうか。



勧修寺
住所:京都府京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6
開門時間:9:00〜16:00 無休
料金:大人400円、小中学生200円
問合せ:075-571-0048
アクセス: 地下鉄東西線 小野駅 徒歩5分/京阪バス 勧修寺停 徒歩1分



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