葵祭

皆さまは、京都で行われるどのお祭りが京都三大祭りと呼ばれているか覚えておられますでしょうか。三大祭のうち、毎年7月に行われる祇園祭(→こちら)や、10月に行われる時代祭り(→こちら)は以前にもご紹介させて頂いておりますので、足を運んで頂けた方もおられるかもしれませんね。残る一つのお祭りは、葵祭となり、祇園祭時代祭りとは少し違い、宮廷に伝えられていた儀式の特色が色濃く残され、平安時代の貴族の姿を垣間見ることができるお祭になっています。
葵祭りは、欽明天皇の時代に、凶作や飢餓疫病の流行に見舞われ、それを鎮める為に天皇が勅使を遣わして祭礼を行ったことに始まり、日本で最も古い祭りであると言われています。もとは賀茂祭や北の祭りと呼ばれていたのですが、一度衰退し、再興された江戸時代頃から葵祭りと呼ばれるようになったのだそうです。また、京都では年間に300ほどのお祭りが行われているのですが、平安時代には祭り=葵祭とされるほど代表的なお祭りとされており、源氏物語にもその華やかさが登場しています。
この葵祭りでは、500人を越える人や40頭からなる牛馬の行列が約700mにわたって続き、頭から最後まで見ると約40分から1時間ほどかかります。この行列は路頭の儀と呼ばれており、勅使や牛車、風流傘、斎王代など、平安時代そのままの王朝行列を見ることができます。これらの行列は、牛車から、勅使・供奉者の衣冠、牛馬に至るまで、あらゆるものがフタバアオイの葉や桂の小枝で飾られています。そのため、葵祭と呼ばれるようになったのですが、この葵は綺麗な水を好み、採取後長くは保存がきかないため、約1万本にも及ぶ葵は、祭りの期限ぎりぎりに一気に採取されているのだそうです。
また、牛車にもランクがあり、葵祭りでは勅使用になっている牛車が最高ランクの唐車になります。十二単を纏った斎王代用の牛車は八葉車と呼ばれており、唐車に比べると少しランクは下るのだそうです。この牛車は、見た目は華やかなのですが、あまり乗り心地が良くなく、車酔いを起こしてしまうのだそうです。そのため、斎王代も牛車には乗らずに腰輿に乗って行列に登場するのだとか。
行列は京都御所を出発し、午前中いっぱいかけて下鴨神社へ向い、勅使が御祭文を奏上し御幣物を奉納する社頭の儀や神馬の引き回し、あずまあそびと呼ばれる舞の奉納が行われます。同じ儀式が、下鴨神社を出発し、向う先の上賀茂神社でも行われます。どちらも雅な雰囲気の中で行われますので、機会がありましたら一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。



葵祭
日時:5月15日 10:30〜京都御所出発 ※雨天順延
コース:京都御所下鴨神社上賀茂神社



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