地蔵院(椿寺)

北野天満宮から少し離れた西大路一条の角に、椿寺という名前でしられているお寺があります。正式な名前を昆陽山地蔵院というこのお寺は、洛陽三十三所観音霊場の第三十番札所で、知恩院の末寺でもある浄土宗のお寺です。
ついつい見逃してしまいそうなくらいひっそりと佇んでいるこのお寺は、行基によって奈良時代に開創されたと言われており、その時に安置された木造地蔵菩薩像は重要文化財にも指定されています。何度か場所を変えていたり、室町時代には戦災で焼失したりしているのですが、1589年に豊臣秀吉によって今の場所に定められ、それからはこの地に落ち着いているのだそうです。
さて、この地蔵院が椿寺と呼ばれる所以は境内にある散り椿にあります。この散り椿は、加藤清正朝鮮出兵の際に持ち帰り、豊臣秀吉に献上したもので、残念ながらその初代の椿は枯れてしまったのだそうですが、現代は樹齢100年ほどの2代目が毎年見事な花を咲かせているそう。普通の椿は花ごと落ちてしまうのですが、この散り椿は花びらが1枚ずつ落ちるのだそうです。また、ここの散り椿は五色散り椿と呼ばれており、赤、桃、白、絞りなどの花が木いっぱいに咲き、それぞれの花びらが1枚ずつ散るのだそうです。ちょうど今が見頃を迎える時期ですので、一度訪れてみられてはいかがでしょう。また、タイミングが良ければ、散り椿の側にある枝垂桜も見頃を迎え、とても美しい光景を見ることができます。この時期に是非一度足を運んでみてください。
また、この散り椿の子孫が、京都市内には多いそうです、皆様のご近所にも五色散り椿がないか探してみられてはいかがでしょうか。



地蔵院(椿寺)
住所:〒603-8332京都市北区大将軍川端町2
拝観時間:9:00〜16:00 境内自由
問合せ: 075-461-1263
アクセス:JR嵯峨野線 円町駅 徒歩13分/市バス 北野白梅町停 徒歩2分



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