高瀬川

皆様は森鴎外の「高瀬舟」という物語を覚えてられるでしょうか。小学生の国語の教科書などに載っていましたので、一度は目を通されたことがあるのではないでしょうか。この物語の中では、今でも答えが見つからない「財産」と「安楽死」とう問題についても触れられており、感想文を書く課題を出されてとても困った思い出があります。では、この舞台ともなった高瀬川が今も残っていることはご存知でしょうか。木屋町通りにそって流れているあの小川ですので、見たことのある方は多いと思いますが、それが高瀬川や「高瀬舟」と結びついている方は少ないかもしれませんね。
高瀬川は、二条から伏見を通って宇治川に流れ込む全長10kmに及ぶ運河で、江戸時代に嵯峨の土豪角倉了以らによって作られました。大正時代に入って交通機関が発達するまでは、京都と伏見、大阪を結ぶ大切なパイプラインだったようです。この高瀬川を使って材木なども多く運ばれていた為、高瀬川沿いには材木屋も多かったとのこと。その為、この辺りを木屋町と呼ぶようになったそうです。
さて、この高瀬川の水深は数十センチ程度と浅く、普通の舟は通行できませんので、高瀬舟と呼ばれる底が平らで喫水の少ない小船が利用されていました。この小船を復元したものが木屋町二条にある一之船入跡にあります。ちなみに、舟入とは荷物の上げ下ろしをしたり、船の方向転換をする時の為のスペースで、高瀬川の西側に川と直角に突き出すように作られていました。今では一之船入跡しか残ってないのですが、興味のある方は足を延ばしてみられてはいかがでしょうか。
高瀬川沿いには桜や柳が多く植えられており、川の流れと併せてとても風流な雰囲気を出しています。また、これからの桜の時期には、ライトアップもされますので、この時期に四条・河原町の辺りへ出かけられた際には、足を運んでみられてはいかがでしょう。



高瀬川
所在地:京都市中京区一之船入町
アクセス:京都市営地下鉄京都市役所前駅→徒歩4分
問い合わせ先:京都市観光協会 TEL:075-752-0227



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