六地蔵めぐり

そろそろ地蔵盆の時期がやってきましたね。地蔵盆と言えば、夏休みの子供の為のイベントの一つというイメージが強いかとは思いますが、その起源は六地蔵信仰であると言われています。この六地蔵とは、六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)のそれぞれで、衆生を救ってくれる6体の地蔵菩薩のことを言い、仏教にある六道輪廻という思想が日本に入り、独自に形成されたのがこの六地蔵信仰だと言われているそうです。親しみを込めて「お地蔵さん」と呼んでいますが、これらの地蔵菩薩は、衆生を救済する為、あえて悟りを開かず菩薩の状態に留まっているのだそうです。つまり、悟りを開けば仏になるのですが、衆生の身代わりとなる為に悟りを開かず、六道のそれぞれで衆生を救っているのだそうです。
さて、この六地蔵菩薩なのですが、木幡山の1本の桜の大木から彫られているそうで、小野篁が作ったとされています。小野篁が熱病を患って冥土を彷徨っている時に地蔵菩薩と出会い、「たとえ一度であっても、私の姿を拝んだり私の名を唱えたりすれば必ず救われるのだから、地獄の恐ろしさを人々に告げて帰依することを勧めてほしい」と頼まれ、その心に感激した小野篁が広く衆生に功徳を広めようと六地蔵を彫り、今の伏見六地蔵のある場所に安置したそうです。その後、六地蔵信仰の深かった後白河天皇平清盛に勅命を下し、清盛が街道(奈良街道・西国街道丹波・山陰街道・周山街道鞍馬街道)の入口に六角円堂を建て1体ずつ分置し、西光法師に命じて供養させたそうです。
さて、タイトルにもなっている六地蔵めぐりでは、8月22・23日にこれらの地蔵菩薩をめぐり、それぞれのお寺で、お幡(おはた)と呼ばれるお札をもらいます。これらの、お札は赤、青、黄、緑、黒、白の6色あり、束ねて護符として家の入り口につるしておくと、無病息災、五穀豊穣、家内安全、商売繁盛などの御利益があるそうです。また、とくに初盆の家はこの供養で故人が六道の苦を逃れられるという信仰があるそうなので、機会があれば回ってみられてはいかがでしょうか。


六地蔵めぐり
●伏見六地蔵大善寺):奈良街道
場所:伏見区桃山西町六地蔵 Tel:611-4966
アクセス:京阪電車宇治線・JR奈良線六地蔵駅下車、徒歩15分
●鳥羽地蔵(浄禅寺):西国街道
場所:南区上鳥羽岩ノ本町 Tel:691-3831
アクセス:京都市バス18号系統、地蔵前下車、バス停前
●桂地蔵(地蔵寺):丹波・山陰街道
場所:西京区春日町 Tel:381-3538
アクセス:阪急電車桂駅下車、徒歩10分
●常盤地蔵(源光寺):周山街道
場所:右京区常盤馬塚町 Tel:872-8157
アクセス:京福電車北野線常盤駅下車、徒歩5分
鞍馬口地蔵(上善寺):鞍馬街道
場所:北区鞍馬口通り寺町 Tel:231-1619
アクセス:地下鉄烏丸線鞍馬口駅下車、徒歩5分
●山科地蔵(徳林寺):東海道
場所:山科区四ノ宮泉水町 Tel:581-0019
アクセス:京阪電車京津線四ノ宮駅下車、徒歩15分


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