念仏踊り・吉祥院天満宮

京都駅から1駅程度の距離のところに吉祥院天満宮と呼ばれるお宮があります。学問の神様である菅原道真を祀っている天満宮は、全国で1万以上あると言われており、京都では北野天満宮が最も知られているのではないでしょうか。これらの天満宮の中で、今回ご紹介させて頂く吉祥院天満宮は、菅原道真が亡くなって31年目に朱雀天皇の勅命によって創建された最初の天満宮で、菅原道真誕生の地に建てられているそうです。そのため、境内には道真のへその緒を埋めたとされている「胞衣(えな)塚」や、少年時代に習字に使用したという「硯の水」、顔を写したと伝えられている「鑑(かがみ)の井」など、道真に縁のあるものが残されています。
この吉祥院天満宮では、4月25日の春祭りと8月25日の夏祭りに六斎念仏踊りが奉納されます。現在、京都市内には10数組の六斎念仏踊りが伝承されており、国の重要無形民俗文化財に指定されているのだそうです。六斎念仏踊りは、鉦や太鼓をたたいて踊る民俗芸能で、平安時代空也が念仏を広めるために始めた踊り念仏が起源と言われています。この踊り念仏が京都では祖先供養と結び付いたため、お盆前後には吉祥院天満宮だけでなく、京都市内の各所でみられます。踊念仏が起源となっているとは言われていますが、現在に伝えられる途中で、長唄や歌舞伎などが取り入れられたため、現在のような形になっているのだそうです。
念仏踊りの行われる8月25日には、吉祥院天満宮は、献灯された提灯を社頭に掲げ、鉦や太鼓、笛などの楽器の音や、念仏を唱えながら踊る人々で賑わいます。また、境内には多くの夜店が立ち並び、地域の子供達や観光客で溢れるそうです。地域の子供たちにとっては、夏休みの最後を飾る大イベントでもあり、念仏踊りの最後に行われる「獅子と土蜘蛛」という踊りの中で行われる蜘蛛の巣(せい)撒きは、撒かれた蜘蛛の糸を子供たちが競い合って拾う楽しみの一つとなっているのだそうです。
さて、冒頭でも述べましたように、吉祥院天満宮のある地は、菅原道真生誕の地とされています。勉強(習字)をする為に使った水もあるということなので、この吉祥院天満宮がもっとも学問にご利益があるかもしれませんね。京都駅の近くですので、京都を訪れられた際には一度訪れられてみてはいかがでしょう。


吉祥院天満宮
住所:京都市南区吉祥院政所町3(西大路十条西入北)
休日:無休 自由拝観(車椅子での拝観可)
問合せ:Tel 075-691-5303/Fax 075-691-2205
アクセス:市バス 吉祥院天満宮前 徒歩3分/JR 西大路駅 徒歩15分
駐車場:広場に駐車可
●六斎念仏踊り
日時:8月25日 20:00〜



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