法金剛院・蓮

皆さまは「ハスのお寺」と呼ばれているお寺があることをご存知でしょうか。右京区にある法金剛院のことを指してハスのお寺と呼ぶのですが、その呼び名の通り、7月になると境内のあちこちに蓮が咲き、まるで極楽浄土のようだと言われています。
この法金剛院は唐招提寺に属する律宗のお寺で、もともと、右大臣清原夏野の山荘であったものを清原夏野が亡くなった後に、双丘寺としたことに始まります。858年に文徳天皇が伽藍を建て、天安寺と改号したのですが、その後衰退し、1130年に待賢門院によって復興された際に法金剛院と改号しました。この法金剛院も鎌倉時代に入って再び衰退し、唐招提寺から入寺した円覚上人によって復興されたのですが、その際に律宗になったとされています。その後、他の寺院のように、応仁の乱によって焼失し、照珍上人によって復興されたのですが、以前のような姿を取り戻すことはできなかったようです。
全盛期は広大な池の広がる回遊式庭園を持つ法金剛院だったのですが、幾度かの衰退やJR線の開通、道路の拡張などに伴い境内の南半分を失ってしまいました。しかし、本尊の阿弥陀如来坐像を初めとする十一面観世音菩薩座像、厨子といった重要文化財に指定されている仏像などは仏殿に安置されており、それらの全てが展示公開されているため、間近で目にすることができます。この仏殿は、礼堂の奥側にあるため、わかりにくいですが、訪れられた際には是非中に立ち入られてみてはいかがでしょう。
また、冒頭でも述べたように、法金剛院はハスのお寺と呼ばれて親しまれています。夏になると池には水面が見えなくなるほどに蓮の葉が生い茂り、池以外の場所にも約80種類の蓮が花を咲かせ、まるで極楽浄土のようになるそうです。この蓮の時季には毎年観蓮会が行われており、期間中は朝の7時から門が開きます。この法金剛院の庭は、特別名勝にも指定されており蓮以外に紫陽花や紅葉も楽しめますし、林賢作の青女の滝もあります。この青女の滝は水の落ち方などが見事であると評判だったのですが、鳥羽天皇中宮で、絶世の美女とされている待賢門院によって今の高さにまでなったそうです。
JR花園駅にも近く、妙心寺などもすぐ側ですので、蓮の時季に一度足を伸ばしてみられてはいかがでしょうか。



法金剛院
住所:京都市右京区花園扇野町49
開門時間:9:00〜16:00 無休
料金:大人400円、高校生以下300円
問合せ:075-461-9428
アクセス:JR嵯峨野線 花園駅 徒歩3分
○観蓮会
日時:7月12日〜8月3日 7:00〜開門



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