大豊神社・狛ねずみ

先日、干支についてお話させて頂きましたが、皆様は今年の干支でもあるネズミが活躍する話をどのくらい知っておられるでしょうか。「おむすびころりん」や「ねずみの相撲」、「ねずみの嫁入」などは皆様もご存知なのではないでしょうか。また、去年には「レミーの美味しいレストラン」というネズミが活躍する映画も公開されていましたので、ご覧になられた方も多いのではないでしょうか。そのように、世界中の多くのお話に登場するネズミが、狛ネズミを勤めている神社あることをご存知でしょうか。
東山の裾野を走る哲学の道の近くに、大豊(おおとよ)神社と呼ばれる鹿ケ谷の産土神を祀る神社があります。平安中期にはあったと言われている神社で、治病健康や長寿、学問、縁結び等のご利益があるそうです。この大豊神社の境内にある末社の一つ、大国社は特に縁結びにご利益があるとされているのですが、この大国社に祀られている大国主命(おおくにぬしのみこと)に関するこんなお話を皆様はご存知でしょうか。
大国主命が旅をしている途中、須勢理比売命(すせりひめのみこと)に出会い、互いに惹かれます。しかし、須勢理比売命の父である素戔嗚尊(すさのおのみこと)は娘を心配し、大国主命に難題を与えます。その難題というのが、野原の真ん中に鏑矢を打ち込んで、それを取ってこいというものでした。ただでさえ広い野原のなかから1本の矢を探すのは大変なのに、大国主命が野原に進みだすと素戔嗚尊は草原に火を放ちました。火に囲まれて矢を探すどころか、逃げる場所さえ見つからない状況に追い込まれた大国主命ですが、その目の前に1匹のネズミが現れ、隠れる為の洞穴がある場所を教えました。また、どこからか矢を持ったネズミが現れ、大国主命は無事に試練を終えることができたそうです。
このように、大国主命をネズミが救った為に、大国主命を祀る大国社に狛ネズミが使われているのだそうです。そして、この狛ネズミの向かって左側は、水玉(酒器)を抱えているのですが、この水玉は豊穣、薬効または子宝を表しているのだそうです。また、右側の狛ネズミは巻物を抱えており、学問を表しているのだそうです。
この大豊神社は、洛中一の梅と言われ、北野天満宮のものより格が上だとされる枝垂れ紅梅や枝垂れ桜の古木が綺麗なことでも知られているのですが、京都でも有数の椿の名所でもあります。もともとこの一帯が椿ヶ峰と呼ばれていたように、境内には多くの椿が見られ、種類も多いので、春のうちはいつ訪れても椿を楽しむことができます。近くの寺院を訪れられた際には、少し足を伸ばしてみられてはいかがでしょうか。



大豊神社
住所:京都市左京区鹿ケ谷宮ノ前町
開門時間:境内自由
問合せ:075-771-1351
アクセス:市バス 宮ノ前停 徒歩3分



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