萬福寺

11月も残すところあと2日、ついに明後日からは12月に突入し、年末に向けて、大掃除やお正月の準備、いろいろな挨拶と、師走の忙しい時期が始まりますね。忙しくなってくると、早くこの時期を終わらせてしまいたいという気持ちや、どこか遠くへ行ってしまいたいという気持ちになることがあるのですが、今日は、そのような気分の時にうってつけのお寺をご紹介させて頂きます。
宇治市にある萬福寺という黄檗宗大本山は、中国の明出身である隠元隆除轣iいんげんりゅうき)によって開山された禅宗の寺院です。建物は創建当初の姿がそのまま残されており、正面一間を吹放しとした左右対照の伽藍配置で、主要な建物や回廊などが重要文化財に指定されています。そして、これらの建物や仏像だけでなく、儀式作法や精進料理などの全てが中国風の様式となっており、寺内で使われる言葉も中国式のため、日本の一般的な寺院とは全く違う雰囲気を漂わせていて、まるで日本から離れ、異国の地を彷徨っているような気分を味わえます。
この萬福寺を建てた隠元隆除轤ヘ、普茶料理煎茶道、唐様書道といったいろいろな文化を中国から日本へ持ち込みました。これらの文化は、日本の文化に大きな影響を与えたのですが、それらの中には、すでに私たちの身近なものになっているものもあります。孟宗竹やスイカ、レンコンなどが、隠元によって持ち込まれたものであるとされているのですが、その他にも、隠元の名前に由来するインゲンマメもこの時に持ち込まれたものだと言われています。
また、萬福寺は、都七福神布袋尊を祀っていることでも知られています。布袋さんは、中国の後梁時代に実在していた禅僧の契此(かいし)であると言われており、いつも大きな袋に日用品を入れて背負っていたことから、よく目にする大きな袋を担いだ姿で祀られているのだそうです。この布袋尊は、中国では弥勒菩薩の化身であると考えられていることから、この萬福寺でも、弥勒仏として祀られているそうです。
萬福寺では、普茶料理という植物油を多く使った中国風の精進料理を楽しむ事もできますので、中国のお寺の雰囲気を味わってみられてはいかがでしょうか。



萬福寺
住所:〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34
拝観時間:9:00〜16:30
料金:大人 500円、中学生以下 300円
問合せ:TEL.0774-32-3900(代) FAX.0774-32-6088
アクセス:JR奈良線 黄檗駅/京阪宇治線 京阪黄檗駅 徒歩5分



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☆萬福寺☆