宇治橋・橋寺

皆様は日本三古橋というものをご存知でしょうか。この日本三古橋には、瀬田の唐橋と山崎橋が含まれているのですが、残りの一つが、京都の宇治にある宇治橋になります。
宇治橋は、646年に初めて宇治川に架けられたとされている橋で、古今和歌集源氏物語にもその名前が登場しています。奈良の元興寺の僧である道登によって架けられたことにはじまるとされているこの橋も、洪水で流されたり、戦禍に巻き込まれたりで、何度も架けなおされています。現在渡されているものは、1996年に架け替えられたもので、コンクリートの柱が使われているなど、さまざまな土木技術を駆使されていますが、桧造りの高欄や擬宝珠が付けられていたり、「三の間」が再現されているなど、従来の木橋のイメージを残したものとなっています。この三の間というのは、橋から川の上流側に向かって張り出した部分のことで、橋の守り神である橋姫を祀っている場所と言われています。また、豊臣秀吉が茶会の際にこの三の間から茶の湯を汲ませたことでも知られており、茶まつりの際には、今でも三の間から水を汲んでいるそうです。
この宇治橋が架けられたいきさつは、橋の東詰の橋寺にある宇治橋断碑にも刻まれています。この宇治橋断碑は、何らかの事情で地中に埋没していたものを掘り出したもので、格調高い六朝風の銘文で刻まれています。上部は掘り出されたもので、奈良時代のものと考えられているのですが、下部分は紛失されていた為、1793年に、鎌倉時代に編纂された歴史書である帝王編年記に記されている原文を基に補われたものです。この碑は、群馬県の多胡碑、宮城県多賀城碑と共に、日本三古碑にも数えられています。
宇治橋断碑の置かれている橋寺は、放生院という正式名称を持ったお寺で、聖徳太子が建てたと言われています。古くから宇治橋の守り寺として大切にされており、本堂には重要文化財でもある地蔵菩薩像と不動明王像が祀られています。その本堂の前に宇治橋断碑が建てられていますので、近くを通られた際には、少し寄り道されてみてはいかがでしょうか。



橋寺放生院
住所:京都府宇治市宇治東内11
拝観時間:9:00〜17:00(11/1〜3/14は 9:00〜16:00) 境内自由
料金:本堂・宇治橋断碑 300円 宇治橋断碑のみ200円
問合せ:0774-21-2662
アクセス:京阪電車 宇治駅 徒歩4分



京都 不動産(賃貸物件・売買物件etc)の情報は狩野コーポレーションHPへ