酬恩庵・一休さん

橋の袂に掲げられている「このはしわたるべからず」という看板を見て、橋の真ん中を渡っていく、屏風から虎が出てくるから捕まえてくれと言われれば、捕まえるから屏風から追い出してくれと答える。このやり取りが何に登場するエピソードかは、ご存知の方が多いことでしょう。これらのエピソードは、一休さんのとんち話として有名で、アニメや絵本などで見たことがあるのではないでしょうか。一休さんは、実在する人物を元に作られた話で、一休宗純がモデルになっていると言われています。この一休宗純は、臨済宗の禅僧で、81歳で大徳寺の住職にもなっていた人物です。京都の生まれで、後小松天皇の皇子であるとする説もありますが、6歳の時には安国寺の像外集鑑の下へ入門しており、幼い頃から漢詩の才能を発揮していたそうです。その後、17歳の時に謙翁宗為の弟子となり、その謙翁宗為の死後、22歳の時に大徳寺の高僧であった華叟宗曇の弟子となったそうです。その時に、華叟宗曇より一休という道号を授かったと言われています。
その一休禅師が63才の頃に再建し、移り住んだのが京田辺市にある酬恩庵です。この酬恩庵は、臨済宗大徳寺派の禅寺で、一休禅師が88才で亡くなるまでの晩年を過ごしたことから、一休寺と呼ばれています。この一休寺の本堂や方丈、庫裏等が重要文化財に指定されており、方丈庭園や虎丘庵は名勝に指定されています。また、方丈中央に安置されている木造の一休禅師像は、自分の髪や髭を植えつけたと言われている等身大の像で、一休逝去の年に高弟に作らせたとされています。
さて、この一休寺では、一休寺納豆と呼ばれる少し変わったものを買うことができます。この一休寺納豆は、一休禅師が作り始めたと言われている大豆を原料とした食べ物で、材料や製法等は、500年前からほとんど変わっていないのだそうです。甘納豆のような見た目をしていますが、実際は塩辛いそうで、お酒のおつまみに打って付けなのだそうです。庫裏で買えますので、訪れられた際には、のぞいてみられてはいかがでしょう。また、一休禅師の命日である11月21日には法要も行われます。境内にある一休禅師のお墓は宮内庁管轄のため、見ることはできませんが、苔と石の落ち着いた庭で紅葉を眺めながら一休禅師をしのんでみられてはいかがでしょうか。



一休寺(酬恩庵
住所:〒610-0341 京都府京田辺市薪里ノ内102
開門時間:9:00〜17:00(宝物館は16:30まで) 無休
料金:大人500円、小学生250円
問合せ:0774-62-0193
アクセス:近鉄京都線 新田辺駅 徒歩20分/バス 一休寺道停 徒歩5分
○開山忌
日時:11月21日



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☆一休寺☆