宝泉院

以前に、大原にある三千院を紹介させて頂いたことがあるのですが(→こちら)、皆様は覚えておられるでしょうか。この三千院の近くには、他にも勝林寺などのお寺がいくつかあるのですが、この勝林寺の塔頭と言われている宝泉院を本日は紹介させて頂きます。
宝泉院は、平安時代末期に創建されたとされる天台宗の寺院で、声明の寺として知られています。この声明というのは、日本の伝統音楽の一つで、仏典に節をつけ、儀礼の時などに流されるものです。この声明というのは、古代インドの学問分野の総称である五明の一つで、音韻学や文法学を指しています。そのような声明を今に伝える寺院の一つである宝泉院では、声明に使われるサヌカイトと呼ばれる綺麗な音を出す石盤なども展示されていますし、実際に声明を聞くこともできますので、訪れられた際には、少しじっくり聞いてみられてはいかがでしょうか。
この宝泉院には、他にも有名なものがあるのですが、その1つが、庭園です。宝泉院の庭園は、盤桓園や鶴亀庭園などがあり、立ち去りがたいという意味を持っている盤桓園は額縁庭園とも言われています。この額縁庭園は、書院の奥から眺めた時に、鴨居などの建具を額縁とした絵画のようになります。そのため、額縁庭園という呼び名が付いたそうです。あまり窓に寄らず、奥から見るのが最も綺麗に見えるそうですので、少し離れたところからも見てみられてはいかがでしょうか。また、この庭園には樹齢300年を超える沙羅双樹の木や、京都市指定の天然記念物にも指定されている五葉の松と呼ばれる松の木もあります。近江富士のような形に茂る松の木は樹齢700年を超えており、それだけでとても存在感がありますが、竹林や梅と並んだ松竹梅の風景もまた違った趣があります。大原の風景を借景にしたこの庭は、サービスで出してもらえるお抹茶と共に楽しんでみられてはいかがでしょうか。
この宝泉院で、もう一つ有名なものが血天井です。この血天井は、伏見城の戦いの再に、たった1800人で4万人の軍勢と戦い、広間で自刃した鳥居元忠らを供養するために徳川家康伏見城から床板を移したもので、京都のいくつかの寺院へ分けられているのですが、その1箇所が宝泉院の書院の天井になります。
宝泉院では、拝観料でお抹茶などが付いていますので、大原を探索される際の休憩地点として探索プランに組み込んでみられてはいかがでしょうか。



宝泉院
住所:京都市左京区大原勝林院町187
拝観時間:9:00〜17:00
料金:大人600円 中高生500円 小学生400円(お抹茶・和菓子付き)
問合せ:075−744−2409
アクセス:京都バス 大原停 徒歩10分



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☆宝泉院☆