古代友禅苑・友禅手作り体験

先日の話題でも触れたように、昨晩は満月だったのですが、皆様は月を見られたでしょうか。秋のイメージに月が必ず出てくるように、月は秋が最も美しいと言われていますね。満月だけでなく、それ以外の月もそれぞれに趣があって綺麗ですので、皆様もお月見を楽しんでみられてはいかがでしょう。
さて、お月見の際などには着物を着られる方も多いのではないでしょうか。以前に紹介させて頂いた西陣織や、絞りのように、反物にも色々な種類があるのですが、本日はそのような種類の中から、友禅染というものを紹介させて頂きます。
友禅染は、江戸時代に発達した模様染めで、宮崎友禅によって完成されたために友禅染と呼ばれるようになったそうです。この宮崎友禅は、当時、一番人気の扇絵師で、その名前は、井原西鶴の『好色一代男』や『好色三代男』にも出てきているほどです。そのような宮崎友禅の人気に目を付けた呉服屋が、小袖模様の図案を依頼したことから、着物のデザインも手がけるようになり、雛形本と呼ばれるデザインブックもいくつか出版しているそうです。
そのように、宮崎友禅に依頼した背景には、1683年に出された衣服制限令が出され、今までの美しい着物の代表であった金紗や刺繍、総鹿の子の着物が生産も着用も禁じられたという出来事があります。そのため、防染糊という色の混合を防ぐために糊を置くだけで色鮮やかな着物を作ることができる友禅染の手法が完成されたことは、呉服業界にとっては大きな意味を持つものだったそうです。この友禅染には、手描き友禅や型置き友禅など、いくつかの種類があるのですが、この中の型友禅は、廣瀬治助によって明治の初めに作られた合成染料を使った方法になります。
また、明治の初めには京都の風物詩の一つとして友禅流しと呼ばれるものが行なわれていました。友禅流しは、糊を流す為に行なわれていた工程で、鴨川や桂川、堀川などで行なわれていました。川の流れに色とりどりの反物が揺らめいている様子はとても見ものだったのだそうですが、水質汚濁防止法の施行により見られなくなりました。しかし、今でも8月上旬に行なわれる鴨川納涼のイベントの一つとして行なわれていますので、機会がありましたら、一度ご覧ください。
さて、このような友禅染の伝統や美しさを体感できる施設があることをご存知でしょうか。古代友禅苑と呼ばれるこの施設では、江戸時代の小袖や図案本・見本帳、などの展示見学や友禅染の体験、実演の見学などを行なうことができます。また、館内のレストランでは、京料理も堪能することができますので、一度体験されてみてはいかがでしょう。また、友禅染の体験では、作った作品を持ち帰ることもできますし、舞妓体験などもできるそうですので、興味のあるかたはこちらも体験されてみてはいかがでしょう。



古代友禅苑
住所:〒600-8354 京都市下京区高辻通猪熊西入ル
開館時間:9:00〜17:00(入苑16:30まで) 定休日(年末年始)
料金:大人 500円、学生 400円、小学生:250円 (友禅染体験は別途)
問合せ:TEL 075-823-0500   FAX 075-823-0502
アクセス:阪急 大宮駅 徒歩8分/市バス 堀川松原停 徒歩2分



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☆古代友禅苑☆