油懸地蔵・西岸寺

京都の伏見は、豊臣秀吉が城を築き、豊臣秀吉が亡くなった後も城下町として栄えていました。また、水運が盛んであった頃は、大阪と京都の中心を結ぶ重要な中継地としての伏見港があったため、商業が盛んでした。その為、商業の神様を祭っている神社などが多くみられ、その代表が伏見稲荷神社です。伏見稲荷神社は以前にご紹介させて頂いておりますので、本日はそのような商業の神様の中から油懸地蔵を紹介させて頂きます。
油懸地蔵が祀られているのは、西岸寺という浄土宗のお寺で、かつては規模の大きな寺院だったそうなのですが、鳥羽伏見の戦いの時にそのほとんどが焼け落ち、地蔵堂のみが昭和53年に再建されたのだそうです。
さて、この油懸地蔵は鎌倉時代に作られた御影石のお地蔵様で、身の丈約120cmくらいの可愛らしい顔をしたお地蔵さまだそうです。このお地蔵様はもともとこのような名前はついていなかったそうで、大山崎から出てきた油商人が、西岸寺の山門の前を通りがかった時に何かに躓いて油桶をひっくり返してしまい、途方にくれた油商人が桶の底に残っていた油をお地蔵様に懸けて供養すると、その後まもなく商売が繁盛して大金持ちになったのだそうです。この話が広まり、特に商売繁盛を願う商人の信仰を集め、多くの人が油をかけて祈願するため油懸地蔵と呼ばれるようになったそうです。長年、多くの人々が油をかけてお参りするので、今ではお地蔵様には2cmほどの油が積もって、黒く光っているのだそうです。皆様も油をかけて供養してみられてはいかがでしょう。
境内にはこのお寺によく訪れていたと言われている松尾芭蕉の「我衣にふしみの桃のしづくせよ」という句碑が置かれていたりもしますので、興味のある方は是非一度訪れてみられてはいかがでしょうか。



西岸寺(油懸地蔵)
住所:伏見区下油掛町898
開門時間:9:00〜16:00 無休
料金:境内自由(仏像などの拝観は200円)
問合せ:075-601-2955
アクセス:京阪電車 中書島駅 徒歩約10分



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