大河内山荘

大河内山荘入口

日本の往年の銀幕スターといわれるとどのような方を思い浮べられるでしょうか。勝新太郎石原裕次郎でしょうか。先日紹介させて頂いたように(詳しくはこちら)、映画の中心が京都にあった時代もあったため、数多くおられる歴代の俳優・女優さんの中には、京都を中心に活動されている方も多くおられました。そのような京都を中心に活動されていた俳優さんの中に、丹下左膳で一世を風靡した大河内傳次郎(おおこうちでんじろう)という方がおられたことをご存知の方も多いのではないでしょうか。
この大河内傳次郎が、映画出演料の大半をかけて造営した別荘が嵐山にあります。大河内山荘と呼ばれるこの別荘は、大河内傳次郎が34歳の時(昭和6年)から建設が始められ、その後64歳で亡くなるまでの30年をこの山荘の造成につぎ込んだそうです。平成14年には国の登録文化財にも指定されており、2万坪にも及ぶ敷地の中には、食事処や休憩所もあります。休憩所ではお抹茶ももらえますので(入園料に込)、是非ひと休みされてはいかがでしょう。
大河内山荘は、当時は長期保存が難しかったフィルムに対して、永く消えることのない美を追究する為に作り始めたもので、大河内傳次郎自身が設計しました。寝殿造りや数奇屋造だけでなく、一般の民家なども含めた日本の全住宅様式を網羅した建造物の建設を笛吹嘉一郎に依頼し、中心には大乗閣を設置して、庭師の広瀬利兵衛と共に亡くなるまで創作を続けたそうです。そのように大河内傳次郎が情熱を注いだ庭は、建築物が自然の中に溶け込んでいる回遊式庭園の造りになっています。大河内傳次郎が生涯をかけて造成したこの庭園には、細やかなこだわりや気配りがされており、借景庭園でもあるこの庭は、1年を通じて嵐山や小倉山、保津川の景色を楽しむことができますし、遠く比叡山や大文字を見ることもできるのだそうです。
大河内山荘の正門に向かう途中の道では、京都観光の番組などでお馴染みの竹林の小路を通ります。山荘に入る前から、外に出るまで自然の美しさを感じることのできる大河内山荘ですので、大河内傳次郎を知っている人も、あまり知らない人も、是非一度訪れてみられてはいかがでしょうか。



大河内山荘
住所:京都市右京区嵯峨小倉山
開門時間:9:00〜17:00
料金:大人1000円(抹茶券つき)
問合せ:075-872-2233
アクセス:JR 嵯峨嵐山駅 徒歩15分/市バス・京都バス 野々宮停 徒歩10分



京都 不動産(賃貸物件・売買物件etc)の情報は狩野コーポレーションHPへ