誠心院・和泉式部忌

平安時代の女性歌人といえば?と聞かれた時、皆様はなんと答えられるでしょうか。紫式部小野小町でしょうか。平安時代は、多くの女性が活躍した時代でもあり、百人一首などにも多くの女性歌人が名を連ねています。その中でも、「あらざらむ この世のほかの思ひ出に いまひとたびの あふこともがな」という歌を残している和泉式部は、平安女性歌人の代表格と言えるのではないでしょうか。
さて、この和泉式部中古三十六歌仙の一人に数えられている歌人であると同時に、和泉式部日記などの文学を残している文人でもあります。この和泉式部日記は、敦道親王との恋を取り交わされた和歌を交えて記されている物語風の日記で、和泉式部の心情描写がありのままに綴られています。古典文学と言われるととっつきにくい感じがするかもしれませんが、内容は恋愛小説のようなものですので、読んだことのない方は、一度ご覧になってみてはいかがでしょう。
冒頭部分でご紹介した和泉式部の歌は、娘(小式部内侍)に先立たれたこの世の儚さを思って歌われたものなのですが、このことをきっかけに和泉式部は仏門に入ったそうです。その和泉式部が初代の住職を務めたと言われているのが誠心院です。誠心院は新京極にあり、もともとは藤原道長和泉式部の為に建てた庵だったそうです。鎌倉時代には一条小川通の誓願寺傍に移転しているのですが、その後豊臣秀吉の命によって今の場所に移されたそうです。この場所では毎日多くの人々が前を通るのですが、中に入ったことのある方は少ないのではないでしょうか。境内には、和泉式部歌碑や、珍しい二十五菩薩像、式部千願観音、神変大菩薩などの石像もありますので、一度中に入られてみてはいかがでしょう。また、入口には鈴成りの輪(すずなりのくるま)と呼ばれ、願いが叶うと言われている車があります。新京極通ぞいにありますので、一度まわしてみられてはいかがでしょう。
この誠心院では、毎年和泉式部の命日である3月21日に和泉式部忌が行われています。この日は午前十一時より式部所縁の謡曲「東北」「誓願寺」の奉納が行われたり、午後一時からは当院永代供養総供養が行われたりしますので、この機会に少し寄り道をされてみてはいかがでしょうか。


誠心院
住所:京都市中京区新京極通六角下ル中筋町487
開門時間:7〜19時(宝物公開は3月21日の10〜15時のみ) 無休  境内自由
問合せ:075-221-6331
アクセス:阪急京都線 四条河原町駅 徒歩10分/地下鉄東西線 市役所前駅 徒歩8分/市バス 四条河原町停 徒歩5分
和泉式部
日時:3月21日 14:00〜 開山和泉式部



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☆誠心院☆