秋の業平塩かま祭・十輪寺

伊勢物語と言うと、学生時代に古典の授業で習われた方も多くおられるのではないでしょうか。伊勢物語は、平安時代前期に作られた短編物語集で、それぞれの物語が、和歌とその和歌にまつわる出来事で綴られています。これらの出来事のほとんどは恋愛物語なのですが、それ以外のエピソードもいくつかあり、その中でも「東下り」などは、よく授業で取り上げられているので、ご存知の方も多いでしょう。また、「かきつばた」という言葉を上手く取り入れて読まれた歌を覚えてられる方がおられるかもしれませんね。
伊勢物語は、年齢や関係も様々な恋愛が盛り込まれているのですが、登場する男のモデルになったと言われているのが在原業平(ありわらのなりひら)です。在原業平六歌仙(ろっかせん)、三十六歌仙の一人で、百人一首にも加わっていたり、古今和歌集にも30首ほど入集していたりと数多くの歌を残しています。
この在原業平が晩年住居とし、そのお墓も残されているのが十輪寺です。恋愛・結婚成就のご利益があると言われている十輪寺は、別名を業平寺とも言うそうで、在原業平に纏わるエピソードが多く残されています。恋人の藤原高子が大原野神社に参詣する時に、塩竃を焚いて思いを伝えたというエピソードは有名です。このエピソードにちなんで、十輪寺では11月3日から23日の期間中、日祝に塩竃に火が入れられるのだそうです。在原業平がその風情を楽しみ、思いを伝えた塩竃を皆様もご覧になってみてはいかがでしょう。
十輪寺の本尊は延命地蔵菩薩で、腹帯地蔵尊とも呼ばれ、子授や安産祈願に訪れられる方が多いのだそうです。また、十輪寺の本堂は、鳳れん形という珍しい造りで文化財にも指定されており、本堂と茶室の間にある三方普感の庭とよばれる庭園は、見る人やその立ち位置によって様々な見え方があり、いくらでも楽しめるのだそうです。さらに、十輪寺に安置されている草分観世音は西国三十三番霊場詣では最も初めにお参りしなければならないそうなので、西国三十三番霊場詣をされる方はお忘れのないようにお参りください。
尚、余談ではありますが、事前に申し込みをすれば、三弦説法の体験や三弦伝授をしていただけるそうなので、興味がありましたら、体験されてみてはいかがでしょう。


十輪寺(じゅうりんじ) 通称業平寺 (なりひらでら)
住所:西京区大原野小塩町481
拝観時間:9:00 - 17:00(行事の日は休館) 中学生以上300円
問合せ:Tel 075-331-0154  Fax 075-331-0154
アクセス:阪急バス 小塩下車 徒歩約1分
駐車場:バス4台分(無料)・自家用車30台分(無料)
●秋の業平塩かま祭
日時:11月23日 午後1時〜塩がま清め
(11月3日〜23日の日祝 14:00〜 塩竃に火が入れられます)


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