かにかくに祭

先日、祇園東が行う祇園をどりを紹介させて頂きましたが、本日は、同じ京の五花街の一つ、祇園甲部の舞妓さん・芸妓さんが参加する「かにかくに祭」を紹介させて頂きます。
かにかくに祭は、大正・昭和を代表する歌人である吉井勇をしのぶ行事で、白川の巽橋の側に建てられた歌碑の前で行われます。この歌碑にも刻まれており、吉井勇を代表する「かにかくに 祇園はこひし 寝るときも 枕のしたを 水のながるる」という歌に因んで、「かにかくに祭」と呼ばれているそうです。
吉井勇は、森鴎外北原白秋らと同じ時代に活躍し、数多くの作品を残しています。それらの作品の中には、短歌だけではなく、戯曲や小説もあり、古文の現代語訳をされていたなど幅広く活躍されています。また、52歳で京都に移り住み74歳の時に肺癌で亡くなるのですが、京都に移り住んだ頃から祇園に通っていたのだそうで、「祇園詩集」「祇園双紙」など祇園とも縁の深い作品も残しています。加えて、祇園甲部の行う都をどりの作詞もされていたため、祇園甲部から舞妓さんや芸妓さんが献花に来られるのだそうです。
かにかくに祭は、神輿が出るわけでも、行列が行われるわけでもなく、舞妓さんや芸妓さんの舞が見られるわけでもないのですが、毎年見学に訪れる方が多いのだそうです。祭の行われる白川の辺りは、伝統的建造物群保存地域に指定されており、伝統的な町並みと石畳の道の風情ある風景を見ることができ、また祇園の舞妓さんや芸妓さんを目の前で見ることができるため、訪れる方が多いのだそうです。この祭は見学自由ですので、少し足を伸ばして、京都の伝統的な町並みの風情と、舞妓さんや芸妓さんの華やかさを体感されてみてはいかがでしょう。
さて、気になっている方がおられるかもしれませんので、最後に「かにかくに」の意味を載せておきます。かにかくには古語の一つで、「とやかくと。あれこれと。いろいろと。」という意味の副詞です。是非、会話の中でもお使いください。


かにかくに祭
日時:11月8日11:00〜14:00
場所:吉井勇石碑(歌碑)前【京都市東山区祇園元吉町 白川畔 巽橋付近】
問合せ:祇園甲部組合TEL:075-561-1115
アクセス:京阪電鉄 四条駅 徒歩10分/市バス 知恩院前停 400m


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