鞍馬寺・竹伐り会式

以前、貴船神社をご紹介させて頂きましたが、貴船神社に隣接する山に鞍馬寺はあります。鞍馬山は、約2億6千万年の昔、海底火山の隆起によって生まれた山だそうで、太古からの霊気に充ちあふれているそうです。
この鞍馬寺は、昔から天狗の住んでいる山として親しまれているだけでなく、牛若丸(義経の幼名)が天狗に武術などを習ったとも伝えられている地でもあります。そのため、牛若丸縁の遺跡も多く見られます。
新西国三十三ヶ所の第十九番に登録されている鞍馬寺は、奈良時代に創建されたそうで、鞍馬山の中腹に本殿や霊宝殿があります。そのため、山門から本殿に至るまで、つづら折りの坂道が1km程続きます。今はケーブルカーも運行されていますが、清少納言枕草子で「近くて遠きもの」と記したこの坂道を歩いてみる方が牛若丸に近づける気がしますね。
山の中腹に位置する鞍馬寺では、道こそ険しいですが、42万平方メートルにわたる敷地のほとんどが、もみやツガの原生林となっています。また、参道の途中には由岐神社や義経供養塔などもありますし、金星から降臨したと言われている護法魔王尊を祭った光明心殿、毘沙門天(国宝)や経塚遺物(国宝)などの寺宝の他、与謝野鉄幹・晶子夫妻の遺品などを展示する霊宝殿もあるそうです。
また、北の山から京の都を守護するために在ったとされている鞍馬寺は、本殿前庭からの眺望がすばらしく、遠くに京都の町並みを望むことができます。本殿を抜けると、木の根参道があり、この参道の名前の所以は、地表に杉の根が張り出していることからきています。この場所で牛若丸が跳躍の練習をしていたとも言われていて、いくつか牛若丸縁のポイントがありますので、牛若丸縁の地であることが感じられるのではないでしょうか。この木の根参道を抜けて行くと1時間程で貴船へ出ることもできますので、ハイキングに訪れられてみてはいかがでしょうか。
さて、この鞍馬寺で、6月20日(火)に竹伐り会式が行われます。竹伐り会式は、夏を告げる伝統行事で、平安時代の初期に峯延上人(ほうえんしょうにん)が修行中、現われた大蛇を切り捨てたという故事によるもので、大蛇を青竹になぞらえて行なわれる行事だそうです。ほら貝の音が鳴り響くなか、僧兵に扮した男たちが登場して始まる竹伐り会式は、まず、稚児の「竹ならしあげ候え」との発声で、4本の青竹を切りそろえる「竹ならし」が行われ、舞楽が奉納された後、メインイベントとなる「勝負伐り」が始まります。勝負伐りでは鞍馬寺を境として東方の近江座、西方の丹波座に分かれ、竹を切る速さを競うそうです。「近江座」と「丹波座」に分かれて競うようになったのは江戸時代中期以降のことだそうですが、この勝負で勝った方の地域がより豊作になるというように、もともとは農作物の吉凶を占う行事であったそうです。勝負のときなどに落ちた竹の断片は魔よけになるそうなので、頑張って拾ってみてはいかがでしょうか。(例年、ものの1分で無くなってしまうそうです)



鞍馬寺
住所:〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町1074
開門時間:9:00〜16:30(無休)
料金:高校生以上200円(愛山費)
問い合せ:鞍馬寺 075-741-2003
アクセス:本殿まで/叡山電鉄鞍馬駅」から徒歩30分
休み:年中無休 ※霊宝殿のみ月曜(祝日の場合は翌日)、12月12日〜2月末
竹伐り会式:平成18年6月20日 午後2時


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