吉野太夫花供養・常照寺

映画さくらんを知っておられる方はどのくらいおられるでしょうか。公開されてから1ヶ月半ほどたっていますので、すでにご覧になられた方も多いかもしれませんね。さくらんは、江戸時代の吉原を舞台にした物語で、玉菊屋という遊郭に連れて来られ、“きよ葉”と名づけられた少女が、遊郭という自由を奪われた生活の中で葛藤しながら、吉原一の花魁“日暮”に成長していくストーリーになっています。映像などがとても綺麗ですので、興味のある方は一度ご覧になってみてはいかがでしょう。
さて、さくらんでは日暮が吉原一の花魁として登場していますが、実際に京都の島原遊郭にいた太夫で、天下の名妓とうたわれていたのが吉野太夫です。吉野太夫は、書画、和歌、俳歌、花道、茶湯、聞香、太鼓、鼓、琴、三味線、囲碁、双六など、数え切れない程の教養や芸を見に付けており、絶大な力をもっていたのだそうです。そのような吉野太夫が三門を寄進したのが、常照寺というお寺です。
常照寺は、1616年に日乾上人によって開山された寺で、鷹峰壇林(学寮)と呼ばれる僧の学問所としても使われていました。一時期は大小の堂宇が建ち並び、多くの僧が学んでいたそうですが、明治時代に廃止されてしまったそうです。この常照寺の境内には吉野窓と呼ばれる茶室や、帯塚、先ほど紹介した吉野太夫のお墓などがあります。また、参道の吉野桜はこの時期美しいトンネルとなり、その中で吉野太夫を偲んで花供養が行われます。
今年の吉野太夫花供養は終わってしまったのですが、この吉野太夫花供養では、隣接する源光庵から常照寺まで、禿(かむろ)や男衆を従えた島原の太夫が練り歩き、優雅な道中を見ることができます。また、境内の随所に野点茶席なども設けられ、さまざまな催しを楽しむことができますので、興味のある方は一度足を運んでみられてはいかがでしょうか。



常照寺
住所:〒603-8468 京都市北区鷹峯北鷹峯町
拝観時間:8:30〜17:00
料金:300円
問合せ:075-492-6775
アクセス:市バス 鷹峯源光庵前停 徒歩3分
吉野太夫花供養
日時:4月15日 9:00〜15:00
料金:道中見学無料、山内の行事参加は有料(茶席3席、そば券付)
問合せ:吉野太夫花供養保存会 075-492-6775



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