花背松上げ

以前、貴船や鞍馬を紹介させていただきましたが、そこからさらに峠を越えて行くと花背の里に辿り着きます。花背は京都市の北の端に位置し、今でも茅葺屋根の家が残っていたり、田畑が多かったりと、昔ながらの風景や自然が多く残っており、とてものんびりした時間が流れています。ただ一つの問題はと言うと、過疎が進んでしまっているということなのですが、年に1度、「松上げ」の行われる8月15日には普段にはない賑わいをみせます。
松上げとは、高さ20メートルを超える、檜の大木の先に設置された籠松明に向かって、長さ1メートル程の縄の先に付けられた火種(割り箸ほどの木切れを束ねたもの)を投げ上げ籠松明に点火させる行事です。日が沈んで暗くなった川原に小さな松明が放物線を描いて飛び交う光景は花火とはまた違った趣があるそうです。この行事は以前ご紹介させていただいた愛宕神社に祀られる献火の行事で、精霊送りと火災予防、五穀豊穣を願って行われます。昔は花背の松上げも8月23日深夜から翌日24日にかけて行われ、無事終了すると愛宕神社に参拝し、村中で愛宕講を行っていたそうなのですが、過疎化に伴って10年ほど前から青年たちが帰省する8月15日に変更されたのだそうです。(中学生になったら行事に参加できるそう)
松上げのクライマックスでは、勢いよく燃え上がった大松明を観客席に向かって倒すそうです。観覧できるのは会場とは川を隔てた反対側の道路からになるそうなのですが、大きな松明が倒され、火の粉が飛び散る様子は幻想的ですばらしいそうです。路線バスを利用しての日帰り観覧は出来ないそうなのですが、一度松上げを見に行かれてみてはいかがでしょう。もし、花背の松上げは都合が付かなくても24日には広河原や雲ヶ畑でも松上げが行われるそうです。すこし遠出になりますが、夕涼みに出られてみてはいかがでしょうか。
また、花背の近辺には、山村都市交流の森や京都市の野外活動施設である「花背山の家」など自然とスポ−ツを楽しめる施設もあります。まだまだ暑い日は続きますので、都会の暑さを逃れて大自然のなかでのんびりした時間を過ごすのにはもってこいの所ではないでしょうか。


●花背松上げ
日時:8月15日  午後9時〜
場所:左京区花脊八桝町
アクセス: 京都バス「花脊交流の森前」※路線バスでの日帰り不可
問い合わせ:左京区役所花背出張所  075-746-0215 (平日午前8時半〜午後5時の間)
●山村都市交流の森 http://web.kyoto-inet.or.jp/org/hanase-k/
〒601-1103 京都市左京区花脊八桝町250 財団法人花脊森林文化財
TEL (075)746-0439 、FAX (075)746-0134
●花背山の家 http://web.kyoto-inet.or.jp/org/hanasell/
〒601-1105 京都市左京区花脊別所町399 財団法人 京都市野外活動振興財団 事業課
TEL (075)746-0717(代) 、FAX 075-746-0392


不動産(賃貸物件・売買物件etc)の情報は狩野コーポレーションHPへ