秋の七草

皆様は毎年お正月に七草粥を食べられるでしょうか。七草粥には、春の七草と呼ばれる7種類の野菜(せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ)が使われており、その年の健康を願って食べます。最近はスーパーなどでセット販売されているのを見つけることができますので、皆様もお正月のご馳走で疲れた胃を休める為にも、お正月の7日には七草粥を食べられてはいかがでしょうか。
さて、春の七草の話をさせて頂きましたが、秋にも秋の七草と呼ばれるものがあることをご存知でしょうか。秋の七草は、萩・薄(すすき)・桔梗・撫子・葛・藤袴・女郎花(おみなえし)の7種類で、秋の訪れを知らせる植物とされています。春の七草とは違って、食べるのではなく、鑑賞して楽しむ為の花なのですが、本日はこれら秋の七草をご紹介させて頂きます。
七草の中で、萩やススキは皆様も様々な場面で目にされることがあるかと思いますが、桔梗や撫子も自生林こそ少なくなっているものの、まだ目にする場所が多いのではないでしょうか。また、葛に関しては葛切りや葛餅などといったお菓子、また葛湯などとして目にすることもありますが、風邪薬などに含まれている葛根湯も葛を原料に含んでいます。生命力が強いので、山野の様々なところに生えているのですが、昔から食用だけでなく、つるは籠に編んで使ったりと、私たちの生活に深く関わっていたそうです。また、それだけでなく、今では土壌保全植物として砂漠の緑化や堤防の保護などに利用されているのだそうです。
残る2つは藤袴と女郎花ですが、あまり聞いたことの無い名前かもしれませんね。女郎花は万葉集などにも詠まれている花で、黄色い小さな花を咲かせます。名前こそあまり馴染みはないですが、日本全国に分布していますので、皆様も目にされたことがあるのではないでしょうか。また、漢方に詳しい方は、利尿・排膿に効果のある植物として目にされたことがあるかもしれませんね。
藤袴は、源氏物語の中に藤袴の巻と付けられた巻があり、この話の中では夕霧が玉鬘に贈る花として登場します。全体的に桜餅のような匂いがするそうで、平安時代の女性は、これを干した茎や葉っぱを浸けた水で髪を洗ったりしていたのだそうです。以前は川原などに自生していたのですが、土手の整備などで自生地が減り、今では絶滅危惧種に指定されてしまっています。日本の特徴の一つである四季の移り変わりを教えてくれる植物の一つですので、これから先の時代にも秋の七草として残していきたいですね。
皆様も、これら秋の七草だけでなく、様々な秋を知らせる植物を探してのんびり散歩でもされてみてはいかがでしょうか。



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