祇園祭

京都の夏を彩る祭りの一つ、祇園祭(ぎおんまつり)が17日に山鉾巡行の日を迎えます。祇園祭は、葵祭時代祭と共に、京都三大祭りの一つに数えられると同時に、大阪の天神祭や東京の神田祭と並び、日本三大祭の一つとして知られています。この祇園祭は、八坂神社の祭で、1ヵ月にかけて祭事が行われ、その中でも最も盛り上がりを見せるのがこの山鉾巡行と、大通りを歩行者天国にして露天が軒を連ねる宵山・宵宵山と呼ばれる期間です。
この祇園祭の始まりは869年の6月7日と言われており、疫病が流行したこの年に、疫病退散を願って祇園御霊会を行ったのが始まりなのだそうです。この祇園祭は、一度は途絶えてしまうのですが、応仁の乱の後、1500年に再興され、今の形になっていったのだそうです。この祇園祭が他の祭と違うところは、町衆が中心になって伝えられてきた祭で、自治組織によって作り上げられているということです。だからこそ、京都の市民に最も親しまれている祭なのではないでしょうか。
この祇園祭で目にするお神輿(みこし)には、山(やま)と鉾(ほこ)があります。この山鉾が登場したのは11世紀に入ってからだそうで、登場した当初は、その時代の国の数と同じ数で、66基あったそうです。現在は全部で32基なのですが、その内の29基は重要無形民俗文化財に指定されているそうです。
さて、山と鉾の違いについて少しだけ説明させていただきますと、山には車輪がなく、ほとんどが担がれるもの(舁山)です。それに対して、鉾には車輪がついていて、屋根には長い棒が立てられており、鉾頭と呼ばれるその鉾を象徴する飾り(有名なところでは「長刀」「菊」「月」ですね)が付けられています。この鉾のなかでも最も大きいものは12トンほどの大きさがあるのだそうです。また、山にはお囃子(はやし)が無いのに対し、鉾にはお囃子方がいるという違いもあるそうです。つまり、よく祇園祭=「こんちきちん」と表現されていますが、これはお囃子が流れていますので鉾ということになるのですね。
宵山や宵宵山ではいろいろな山鉾を回られると思うのですが、各山鉾には山鉾の姿などを象った御朱印が置いてあるそうなので,地図と格闘しながら多くの山鉾を回り、個性的な御朱印を集めてみるのも楽しいのではないでしょうか。また、山鉾の中にはちまきを売っているところも多くあります。知らずに買ってがっかりされた方がおられるかもしれませんが、これらのちまきは食べるものではなく、疫病災難除けのお守りとして玄関に吊るしておくものです。また,護符を授与している山鉾もあり、各山鉾毎に御利益が違うそうなので、祇園祭に訪れられた際にはそれぞれの山鉾で何にご利益のあるものか聞いてみてはいかがでしょうか。
さて、冒頭部分でも触れましたが、17日は山鉾巡行が行われます。巡行は17日の午前9時から行われ、四条烏丸から河原町通を経て御池通へ向い、新町通りで解散となるのですが、特に四条烏丸の交差点で行われる鉾まわしが見ものだそうです。この巡行の先頭は長刀鉾で、災厄を切り開いて行くという意味があるそうです。豪華な山鉾が京の街中を優雅に巡行する様子を一度見ておかれてはいかがでしょうか。
疫病退散を願って始められたこの祭は、集めた悪霊や疫病を消すことで終わります。そのため、巡行を終えた山鉾はすぐに解体されてしまいます。山鉾の解体と共に悪いものも解体してしまうのだそうです。山鉾が悪霊を集めてくれているそうなので、皆さんも知らぬ間に寄ってくる災厄を払いに参加されてみてはいかがでしょうか。


不動産(賃貸物件・売買物件etc)の情報は狩野コーポレーションHPへ


☆祇園祭☆